Google Analyticsでビューとフィルタを使いこなす

アクセス解析データの詳細な絞り込みができる、Google Analyticsでビューとフィルタ。ニーズの多いケースを例に、ビューとフィルタを使いこなしてみます。

Gogole Analyticsの「ビュー」と「フィルタ」でデータをより詳細にする

Google Analyticsでは、1プロパティに付き複数のビューを設定できます。(無料版では1つのプロパティにつき25個まで)しかし、意外とビューやフィルタを使っていないという方も多いのでしょうか?

デフォルト設定である「すべてのウェブサイトのデータ」でも十分に使い勝手は良いですが、より詳細なデータを取りたい時は、「ビューを切り分けて、フィルタでデータの絞り込みをする」ことで、目標のデータをスムーズに取得できます。

なお、フィルタの反映には10〜30分ほど時間がかかることがあるので、設定後にすぐにリアルタイムレポートなどですぐにアクセスをチェックすると、反映されないことがあります。

設定にミスがないのであれば、時間を置いてからサイド計測チェックするようにしましょう。

ビューとフィルタの設定方法

ビューの追加は「管理(歯車マーク) > ビュー」から追加できます。同様に、フィルタの設定は「管理(歯車マーク) > ビュー > フィルタ」から設定ができます。

Google Analyticsでビューを追加する画面

フィルタの追加ボタンをクリックすると、フィルタの詳細設定ができます。

Google Analyticsでフィルタを設定する画面

設定画面の項目は下記の通りです。

項目 入力値 必須
ビューにフィルタを適用する方法を選択 新規 or 既存
フィルタ名 任意
フィルタ種類 定義済み or カスタム

詳細なパラメータ設定については、ケースごとに見ていきましょう。

URL縛りでの除外フィルタ設定

まずは、URLを使った除外フィルタの設定をみていきましょう。

本番URL以外を除外するフィルタ設定

開発環境(localshot)からのアクセスや、サーバー上のテストドメインなどからのアクセスを除外したい場合は、この方法が使えます。

フィルタ方法 フィルタの種類 フィルタ方法 トラフィック種類 マッチパターン ホスト名
本番URL以外を除外する 定義済み 右のみを含む ホスト名へのトラフィック 等しい
前方一致
次を含む
ドメイン名を入力

これで、当該ドメイン以外のアクセス(localhostや開発ドメインなど)からのアクセスは、Google Analyticsで計測されなくなります。

サブドメインやサブディレクトリごとにビューを分ける時の設定

同じやり方で、サブドメインやサブディレクトリでビューを分けることが可能です。

フィルタ方法 フィルタの種類 フィルタ方法 トラフィック種類 マッチパターン ホスト名
サブディレクトリごとにビューを分ける 定義済み 右のみを含む ホスト名へのトラフィック 等しい
前方一致
次を含む
サブドメイン
サブディレクトリ

マッチパターンについては、どこまで絞るのかによりますが、

  • サブドメインのみ -> 等しい
  • URLが階層になっている(hoge.fuga.example.comでfuga.example.comまででフィルタ) -> 前方一致
  • 階層の中の一定のページだけ(example.com/以下の/items/ディレクトリのみ) -> 次を含む

という感じで使い分けると良いでしょう。

その他の便利な除外フィルタ設定

Google AnalyticsでURL以外にも様々なフィルタ設定があります。ここでは、よく使いそうな便利な設定例をいくつか見ていきましょう。

IPアドレスで除外したい場合

特定のIPアドレス(サーバーや社内LAN、自宅LANなど)からのアクセスを除外した場合があります。

例えば、Google Analyticsのデータ送信をストップする「Google Analytics Optout」が使えないケース(アプリ、Mac Safari、スマートフォンなど)では、この方法を使うことで自分自身のアクセスを除外できます。

IPアドレスを除外したい場合は下記のような設定になります。

フィルタ方法 フィルタの種類 フィルタ方法 フィルタフィールド フィルタ パターン
IPアドレス除外 カスタム 除外 IPアドレス IPアドレスを入力

ただし、ISPから固定IPを購入していない場合は、IPアドレスはISP側で勝手に変更することもありますし、ルーターの再起動などで動的に変わることもあるので、この設定は「固定IP環境でない場合は確実ではない」ことを覚えておきましょう。

スマホからのアクセスを除外したい場合

PC版とスマホ版でビューを切り分けたい場合の設定を見ていきましょう。

フィルタ方法 フィルタの種類 フィルタ方法 フィルタフィールド フィルタ パターン
IPアドレス除外 カスタム 除外 デバイスカテゴリ モバイル

簡単ですね。

デバイスカテゴリは、

  • パソコン
  • モバイル
  • タブレット

の3種類から選べるため、スマホだけのビューを作ることも簡単です。

スマホ(iPhone)からの自分のアクセスを除外したい場合

Webサイトの管理者からすると、iPhoneをはじめとした、自分のスマホからのアクセスをGoogle Analyticsで除外できないのは、悩みの種です。

Google Analyticsの設定上は、自分のiPhoneなどのスマホからアクセスを除外する方法は、先ほどの「IPアドレスで除外」くらいしかありません。

もし、完璧に除外をしたいのであれば、トラッキング防止機能付きのブラウザを使うと良いでしょう。

iOS(iPhone、iPad)、Androidに対応しているブラウザでは、Braveが有名です。

Braveブラウザ | App Store

Braveブラウザ | Google Play

ただし、Braveのトラッキング防止機能は、Javascriptに関連するデータ送受信をすべてブロックしてしまうケースもあり、外部APIなどからブラウザでデータを受診するようなサイト(VueやReactで構築したSPAサイトなど)では、正常に動作しない可能性があります。


Google Analyticsでビューとフィルタを使いこなす方法を見てきました。

サブドメインが別のサービスになっている場合や、コンバージョンなどの解析項目をより詳細に取りたい時などに、ビューを切り分けてフィルタでデータを絞り込むと、より簡単にデータが取得できます。

Webサイトやアプリのデータ解析は「データの正確性」が重要となるので、より正確なデータが取れるように、ビューやフィルタを使いこなしてみてください。

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