設定の大まかな流れ
Google Analyticsで多言語サイトのアクセス計測を行う場合、
- ビューを分ける(Google Aalytics上での見え方を分ける)
- フィルタで取得するデータを制限する(ビューごとにアクセスを振り分ける)
という2つの機能を使って、言語ごとのアクセスを分割させます。
プロパティで分割させることも可能ですが、プロパティは無料枠では1アカウントあたり50個までとなっているのに対して、ビューは1プロパティ(サイト)に対して25個までビューを作成できるので、そちらを消費した方が良いでしょう。
また、プロパティを分割すると、言語ごとにGoogle Analyticsのトラッキングコードを変更する必要があるので、サイト側に影響が出てきます。
言語化の方法
多言語化の方法は、Googleが推奨する下記の3パターンを想定します。
- 国別のドメイン方式(example.jp, example.uk)
- gTLDのサブドメイン方式(en.example.com)
- gTLDのサブディレクトリ方式(example.com/en/)
[https://support.google.com/webmasters/answer/182192?hl=ja](多地域、多言語のサイトの管理 | Search Console ヘルプ)
言語ごとにビューを切り分ける
プロパティを作成したら、ビューを言語ごとに切り分けます。
デフォルトの「すべてのウェブサイトのデータ」は残しておく
プロパティ作成時にデフォルトで「すべてのウェブサイトのデータ」が作成されますが、このプロパティはサイト全体の傾向を掴むことができるので、残しておくと後々便利です。
言語ごとのビューを作成する
ビューの追加は、「管理」からプロパティを選んで、「ビューを作成」ボタンから追加します。
作成の際のポイントは、
- タイムゾーンを切り分ける
- 通貨を切り分ける
の2つです。
「ウェブサイトの URL」はドメインのみを入力します。ここにサブディレクトリを記入してもフィルタリングはされませんので注意しましょう。gLTDのサブディレクトリ方式で多言語化している場合は、すべての言語ビューのURLが同じになりますが、問題ありません。
なお、「除外する URL クエリパラメータ」で言語別の切り分けができそうな気もしますが、ここはクエリパラメータ、つまり「?」に続くクエリストリングを制御する部分なので、ドメインやディレクトリでのフィルタリングはできません。
ちなみに、クエリストリングで言語の切り分けをするのはGoogle非推奨です。
同じ作業を言語ごとに行います。
最終的に、
- すべてのウェブサイトのデータ
- 言語1
- 言語2
- …(以下省略)
という形で、複数のビューが同じプロパティ直下にできていればOKです。
ビューごとにフィルタで言語ごとのアクセスに絞り込む
ビューの切り分けが終わったら、統計データをフィルタリングします。フィルタは「管理」ページののビュー画面にある「フィルタ」メニューから追加ができます。
フィルタの仕方については、多言語化の仕方によって異なります。方式ごとの各設定項目は、下記のようになります。
フィルタ方法 | フィルタの種類 | フィルタ方法 | トラフィック種類 | マッチパターン | ホスト名 |
---|---|---|---|---|---|
gTLDのサブドメイン方式 | 定義済み | 右のみを含む | ホスト名へのトラフィック | 前方一致 | ja.example.com |
gTLDのサブディレクトリ方式 | 定義済み | 右のみを含む | サブディレクトリへのトラフィック | 前方一致 | /ja/ |
国別のドメイン方式 | 定義済み | 右のみを含む | ホスト名へのトラフィック | 前方一致 | example.co.jp |
保存すれば完了です。
フィルタは設定してから30分ほどは適用されないこともあるので、設定されているかのテストは、フィルタ作成後1時間ほど待つようにしましょう。
多言語サイトのGoogle Analyticsの設定方法を見てきました。
多言語化サイトの場合、言語ごとにターゲットもコンテンツも異なるため、より正確なアクセス分析をするなら、言語との切り分けは必須です。
Google Analyticsなら今回ご紹介した方法で簡単にアクセス解析の切り分けができるので、ぜひ設定してみてください。